積もり重なった時間の手触り 九州大学箱崎キャンパス

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福岡の町と人を紹介するトラベルマガジンです。実際に訪れ体験した情報を、地域の人たちと共に編集、取材していき、その町だけの美しい風景や文化を伝えていきます。

積もり重なった時間の手触り 九州大学箱崎キャンパス

日常にひそむ風景の美しさ

学び舎として通っていた頃は、あまり統一感のない古い建物群を、単なる風景として横目に見るだけだった。

大学を出た後に、ここがあるから箱崎に越してきたという方と一緒にキャンパスを歩く機会があり、佇む建物の魅力に心を奪われた。

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例えば、煉瓦造りの旧工学部本館の最上階には、真ん中に伸びる階段とそれを囲む回廊のある、少し不思議なつくりをした部屋がある。

部屋の入り口には「展望室」という古いプレート。

建てられた当時、周辺で一番高かったというこの建物に、名前の通り「展望する」ためだけにしつらえられたらしい空間からは、どんな風景が見渡せただろうか。

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hakocamp8

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そのほかにも、旧船舶海洋工学実験室、旧変電室倉庫、旧ゲッチンゲン風洞実験室、旧道路工学実験室、旧知能機械工場第一分館倉庫、六角堂……。

愛らしくて少し風変わりな建物のディテールや逸話を挙げるときりがない。

剥き出しの配管や、塗り重ねられたペンキや、鈍く光る真鍮のドアノブ。

アーチ型の天井の廊下を歩いて、入り口にはめられたステンドグラスを見上げると、差し込む淡い日差しの中にキラキラと舞う光の粒子に目を奪われる。

これまでこの場所に存在したヒトやモノの残像が、無数のレイヤーとして見えてくるような錯覚に陥る。

時間の積み重なりだけが醸し出せる空間の手触りが、ここには確かにある。

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古い物の魅力を知ると、街並みを歩くのが、ぐんと楽しくなるように思う。

今まで目に留まらなかったものが、どんどん視界に飛び込んでくるようになる。

世界を認識するのは自分だから、自分が変われば、世界は変わる。

当たり前だけれど、なかなか気づけなかったことを、教えてくれた場所だ。

見えていない風景は、きっともう、そこにある。

文章 倉内 由美子 (ナツメ書店) / 写真 小田雄大 (TAHITO)

九州大学 箱崎キャンパス
福岡県福岡市東区箱崎6丁目10
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駐車場 : 有り
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