ポップカルチャーで地域活性化@熊本

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熊本のコワーキングスペース"未来会議室"を拠点に、クリエイターや起業家の方のインタビュー、イベントや飲食店情報を発信します。

未来会議室インタビュー!


第2回は、熊本で未来会議室の会員様で、ポップカルチャー熊本の地域活性を行われている佐竹信彦さんのインタビューです。


 

Q.まずは、佐竹さんのプロフィールを教えてください。

 

佐竹信彦、34歳です。
生まれてから小学校までは熊本で暮らし、中学から県外に出て、大学の卒業からしばらく、10年以上県外で生活していました。
大学卒業後、しばらく資格試験に挑戦していたのですが、なかなか芽が出なかったので、「このまま東京で消耗してもしょうがないな」と思い、自分が生まれ育った熊本で何か人の為になることをしたいと考えて戻ってきました。

 

戻ってきてしばらくは不動産の運用をやっている父親の会社にいたんですけど、「自分で仕事を探して、人の釜で飯を食って来い!」と言われ、就職活動をしました。
その時行った就職セミナーを運営していた「くまもと経済」という雑誌社に魅力を感じて。
この雑誌社に入れば熊本の人のためにもなるし、自分の知らなかった熊本の情報が手に入る、一石二鳥じゃないかと思いました。
そこで狙いを絞って、「くまもと経済」だけを受けて就職先は決まりました。

 

雑誌社に入って最初の半年間は営業担当でしたが、その後の人事異動で編集部に行きました。
編集部では、企業よりも行政や大学、商店街の取材が多く、定期的にお話を聴きに行くようになりましたね。

 

その中で、以前から面識があった人たちとも記者としての新しい繋がり方ができるようになってきて。
特に商店街の人たちとかとは仲良くなれたかなと思います。
行政の中は人事異動があるんですけど、商店街の中はそんなに人が動くことがないですからね。

 

それで三年間くまもと経済で記者をやりまして、そろそろ父の会社を引き継ぐ時期が来たなということで一旦会社に戻り、昨年10月末に「株式会社佐竹」の代表取締役に就任しました。

 

 

Q.地域活性化やポップカルチャー関連の取り組みについて、教えていただけますか

 

地域活性化に思い至った理由としては、まず自分がポップカルチャーを好きであることが大きいですね。自分と同じようなポップカルチャーを好む人が繋がって、人が動き、お金が動き、どんどん社会が動いていくっていうのを目にしていたので、熊本でもそういう動きがあったら良いなと思っていました。
くまもと経済にいたときから、ポップカルチャー経済特集とか、書店特集の中にポップカルチャーの要素を入れるとか、そんなこともしてましたね。

 

さらに、記者として過ごしていく中で「グランド12」というNPOの代表をしている松江さんを取材する機会があり、色々とお話を聞いて面白いなと思いました。
それがきっかけで、くまもと経済を辞めて父親の会社に戻ったあと、グランド12に入って3年ぐらい活動をしまして。

 

その中で、市民協働事業というものに参加する機会がありました。
これは、行政だけでは解決できない、市民だけでもなかなか難しい、というテーマを一つ出し、行政と市民が協力して働くことで解決してみようという試みです。
2012年のテーマが「マンガ・アニメで熊本を紹介しよう」というもので、当時グランド12でそのような活動をやっていたので、この事業に応募し、コンペの結果「くまフェス」というマンガとアニメ、ポップカルチャーのお祭りをすることができました。
くまフェスの2012年・2013年の実行委員長を務め、2014年の頭にグランド12を離れて、自分一人でも活動できないかと模索しはじめました。
その中で、くまフェスとは違った形でポップカルチャーを取り入れたイベントができないかと考えてCCCC(シーフォー)という事業を始め、2014年10月に法人化しました。
今は、株式会社CCCCの副社長をやっています。

 

ここで私が「ポップカルチャー」という表現を使っているのには理由があります。
「サブカルチャー」って言うと「メインカルチャー」に対して付属するもの、低いものっていう考えもあるし、「カウンターカルチャー」っていうのは、「メインカルチャー」に対抗するものっていうような意味も出てきます。何かと較べて低いとか対抗とかではなく、日常生活の中で親しんでいけるという意味で、「ポップカルチャー」という言葉を使いたいと僕は思っています。

 


Q.ポップカルチャー関連の活動をしていて、熊本特有の良さなどはありますか?

 

熊本出身のマンガ家は多いということも一つ言われてるんですけど…。
マンガやアニメが好きで、熱い思いを持っている人は色んなところにいて、もちろん熊本にもそういう人はたくさんいます。そして、その中にはマンガやアニメと同じように熊本のことを大事に思っている人も多くいます。

 

熊本のことを大事にしようという思いと、マンガ・アニメを大事にする思いというのは決して相反するものではなくて、両立しているものです。
そんな思いを持っている若い人もいますし、30代や40代だとマンガ・アニメに親しんだ人もいて、それより上の50代・60代とかの人でも、「何かよくわからないけど若い人たちが頑張っているんだったら自分も応援しなくちゃね」と言ってくれる人も実はいるんです。

 

私は記者として、経営者として、またマンガやアニメ好きとして、そういう人たちと触れ合うことができました。そして、そういう人たちを繋ぐことができるというのは、熊本の良いところだなと思います。

 

また、熊本の大き過ぎず小さ過ぎずのサイズ感は良いところなんじゃないかと思っています。
例えば、東京で大企業の社長さんがその辺を歩いてることってないじゃないですか。
でも、熊本の大きな企業の社長さんとかって、その辺ぷらぷら歩いてるんですよね。
コンビニでお菓子買ってたりとかするし(笑)

 


Q.では逆に、活動をする上で、難しさを感じたことがあれば教えてください。

 

考え方の多様性を認めるというときに、相手のことを「理解」するっていうのも一つの手なんですけど、自分とは違う独立した考え方を認め、ある程度「距離を置く」ことも大事なのかなと思います。
もちろん考え方に相容れないところもあるんですけど、そこはぶつからないようにうまく擦り合せながら…。
急激な変化というのは、往々にして失敗するので、じわりじわり・のらりくらりとお互いに意見をうまく擦り合せつつ、譲れないところは避けながら進んでいくことができれば良いなと思います。

 

これがなかなか難しくって、非常に「コウモリ」的に見えますからね。
「あいつはどっちにも良い顔して…」という風になることがあるのが、やや辛いところで、一人がっつり中間管理職になっているというか…まあ管理はしないんですけど。
間に入ってクッションになるというのは大変なところもありますが、お互いから喜んでもらえるのが一番良いですね。

 

Q.佐竹さんの活動について、今後の展望をお聞きしたいです。

 

文化と経済のバランスを取った形で発展させていくことが、熊本の今後の未来を切り拓いていくことに繋がると私は思っています。
今は文化を支える人の思いが強くても経済に結びついてないところも多々ありますが、ポップカルチャーという分野をどう底上げしていくか、というところに力を注いでいきたいです。

 

そういう中で今力を入れているのが、いわゆるアキバ系、A-POPと言われる音楽。
アニソンだけではなく、ゲームやアイドル系の曲まで含めた音楽とダンスの世界が出会い、広がって来ています。
振りを覚えて踊るダンスだけではなく、一つの曲をかけて交互に即興で踊り合うダンスバトルという形式では全国大会が開かれるくらいになっています。

 

こういうダンスバトルをやっている方は熊本にもいるんですよ。
だから、大会を熊本でやって、名誉だけではなく実利も伴う形で持ち上げていくことによって、今やっている人たちを実際に応援したい。
また、そういう音楽とダンスを組み合わせた楽しさを、これまで知らなかった人たちにも広く知ってもらいたい、と思っています。自分は踊れない、いわば見る阿呆なんですけど、踊る阿呆をいかに支援できるかを考えています。

 

そういう思いから、7月4日に株式会社CCCCの主催で、「ANIM@STRIKE!!」という3on3のA-POPダンスバトルをやります。東京や大阪からもゲストを迎えることが確定しています。

 

あと、先ほど熊本はほどほどのサイズという話をしましたが、熊本は福岡が近くにありますし、経済的なところで限界があると思うんです。
プチ福岡、プチ東京になってもしょうがないので、うまく文化と経済のバランスを取って、福岡に無い良いところを出したいです。

 

そこで熊本にあるものってなんだろうかって考えると、自然、文化、伝統もあるけど、やっぱり「人」がいるなと思います。
熊本に人が集まるようなところにしていきたいですね。
「熊本でしか働けない」というんじゃなくて、「色々選択肢はあるけど熊本で働くのが一番だよ」っていうような人がどんどん増えていくと楽しいところになるはずです。
地元の人が地元で働いて、それに対して満足できていく、そういうところが文化と経済のバランスかなと思います。

 

実はそこに、本業が関わってくるところがありまして。
不動産の価値って、そこを使いたい・住みたいと思う人がいてこそなんです。
そして土地の価値にはそこだけではなく、周辺のエリアとしての魅力が深く関わってきます。

 

だから、熊本全体の魅力を底上げしていきたいと思います。
自分の持っている物件を売って他の良いところを買うというのも手なのかもしれないですけど、今ある手札を最大限に活かせるように底上げをしていきたいと考えたときに、やっぱり地域を元気にしていきたいという思いはありますね。

 

地域を元気にしていく中で自分の持っている物件の価値も上がるだろうし、自分の物件をどう使うかによって、さらに地域がもっと元気になることをしていけば、好循環が生まれるということです。
桶屋としては、風を吹かせたいんです。
これをもっと、直接的なところでやっていきたいなと思っています。
まあ、本当に風が吹いたら桶屋が儲かるか分かりませんけどね(笑)

 

 

Q.最後に佐竹さんのおすすめの本を3冊、紹介していただけませんか?

 

佐竹さんのおすすめ本3冊!

木下斉、広瀬郁『まちづくりデッドライン』

 

まちづくり デッドライン
木下 斉 広瀬 郁
日経BP社
売り上げランキング: 25,642

 

木下さんは、熊本の中でまちづくりをやっている「熊本城東マネジメント」という株式会社の取締役もされている方で、元々学生時代から起業してまちおこし活動をやっています。
地域活性を、ボランティアや補助金に頼るのではなく、事業収益を上げてやっていくことで持続的可能性を持たせることにこだわっている方です。
なかなかすぐには実行できないんですが、この考え方が地方には大事だと思っています。

この本に書いてある現場に行って凄いなあと思ったりもしたんですけど、凄いなと思っているだけじゃまだ他人事なので、これを自分の身に活かしてやっていくにはどうしたら良いかと考え、力をつけていかねばと思っています。

 


山村高淑『アニメ・マンガで地域振興』

 

アニメ・マンガで地域振興
山村高淑
東京法令出版
売り上げランキング: 176,407

 

自分や熊本の団体がやりたいと思っていることを、大学の先生がしっかり体系づけて書いているのが、なかなか面白いところです。

この本を買ったのは2011年の4月だったんですけど、どうにかして先生に会ってお話できないかと思いました。
先生のTwitterアカウントを探し出して、「本面白かったです!」と小学生並の感想を送ったのがきっかけでやり取りが始まり、11月に先生が熊本にいらっしゃって講演をしていただきました。
そのときまでにやり取りをしすぎたせいで、会った時に名刺交換するのをすっかり忘れてしまいました(笑)

山村先生が言ってることを簡単にまとめると…。
観光地に人が入ってくることで経済的に発展するかもしれないけど、観光の目的になる文化がその担い手と一緒に破壊されていくんじゃないかという危機感を持っていたそうなんです。
特に、そういう事例を世界遺産の現場で、フィールドワークを通して見られていて。
じゃあ、来る人と住む人が一緒になってその場所を盛り立てていくような新しい持続的な観光のあり方は何か無いかと考えた結果、アニメのいわゆる「聖地巡礼」に思い至ったそうです。

 


岩明均『雪の峠・剣の舞』

 

雪の峠・剣の舞 (KCデラックス アフタヌーン)
岩明 均
講談社
売り上げランキング: 3,054

 

この漫画に出てくる佐竹家は、関ケ原で西軍について負け、茨城から秋田に転封されました。私とは鎌倉時代に別れた遠い遠い親戚に当たるそうです。
一度失敗した戦国大名が、平和な世の中で、飛ばされた先に根ざすまちづくりをしていく中で新旧の家臣団に摩擦が起き、粛清が行われた、というのが描かれています。

時代が読めなかったら、西軍についてしまったわけですけど、その失敗を次にどう巻き返していったか。結局、新しい方針を自分たちで考えて、立て直していったから生き残れたというわけです。

 

佐竹さん、ありがとうございました!

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