未来を見据えた考察と実行力で新たな事業を創出する:河東 実

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全国で活躍する九州・山口出身者にスポットライトをあて、新しい「繋がり」の創生にチャレンジしてまいります。

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未来を見据えた考察と実行力で新たな事業を創出する:河東 実

イチマルイチデザイン株式会社 代表取締役

河東 実

1976年 福岡県出身

1993年、地元・筑豊にある金融機関に就職。その後、脱サラし福岡市へ。1998年、山口県宇部市にある叔父の会社へ入社するため移住。2014年、『デザインのまち、宇部』を創造したいと、イチマルイチデザイン株式会社を立ち上げる。建築・プロダクト・グラフィック・ウェブ・調査・マーケティングなどを手がけ、山口宇部の情報を中心とした『SPIBE』や、九州・山口出身にスポットライトあてた『KARNEL』など、Webメディアも自社で運営。ほか、行政との連携による宇部移住計画のイベントやセミナーの企画・開催なども行なう。2016年、支社のある福岡へ生活の拠点を移す。
http://101de-sign.com/ http://kar-nel.jp/ http://spibe.jp/ https://ube-iju.jp/

2016年8月にスタートした本サイト『KARNEL』。九州・山口出身の人・コトを照らす新感覚メディアとして、個性あふれる方々の記事を中心に情報を発信してきた。本年、最後のインタビューは本サイトを運営するイチマルイチデザイン株式会社の代表を務める河東 実。福岡県の筑豊で生まれ、移住した山口県・宇部市で起業したきっかけや、本サイト『KARNEL』を始めたワケはもちろん、福岡や宇部の街について、福岡市・住吉に設けた『KARNEL』のリアルの場となる新スペースで語ってもらいました。

まずは、イチマルイチデザインについて教えてください

業務内容としては、Webデザインを中心にデザイン関連の制作をしています。各種プロジェクトの企画段階から入らせて頂き、制作物を作ったり、イベントを運営したりと、単に制作するだけに留まってはないですね。また、クライアントからの要望に応じて、マーケティングなども行なっています。

自身の仕事内容について聞かせください

僕は、何でも屋です(笑)。経営者として自社の経営をしますし、ディレクターとして制作案件にも関わっています。弊社以外の法人会社の役員や、飲食店のプロデュースなどもしているので、6、7ほど違うジャンルの仕事をさせてもらっていますが、仕事に合わせて頭を切り替えるとかはなく、仕事が好きなので、ずっとオンの状態で取りくんでいる感じです。家に帰って、妻との会話も仕事のミーティングのようにとらえているほどなので。

山口県宇部市で起業したきっかけは?

まず、宇部に来て起業する前までは不動産やアミューズメント系の仕事をしていたのですが、まちをもっと活性化するとか、いい人材を育成するとかに、あまり関わっていないなぁと感じていたのと、新しい事業をしたいなぁと悶々とした思いはありましたね。子供ができてからは、故郷となる宇部をもっと魅力的なまちにしたいと思うようになり、魅力ある仕事を創出することができれば、そういう人が集まり、まちの魅力にもつながるのではと。それをデザインで創造することができないかというのが、きっかけというかテーマですね。故・渡辺 祐策さんが宇部を石炭産業から他の新しい産業を生み出したように。
そして、東京や大阪など都心部だけではなく、山口県の宇部からでもデザインを中心とした質の高いクリエティブ力を国内外へ発信していけるところまでもっていきたいんです。

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宇部市には、いつ来たのでしょうか

23歳だったので、1999年の夏ですね。宇部に来る直前までの自分は“社会のゴミ”みたいだったんです。これは、ホントのことなので包み隠すさず書いてください(笑)。地元・筑豊にある金融機関に4年務めた後、脱サラし2年弱くらい何もしていませんでした…。当時、福岡市東区に住んでいたのですが、毎晩飲み歩いて、貯金も使い果たし、借金まで膨れ上がり、お金もなくって1日のご飯が“うまかっちゃん”を半分に割って食べていたこともありました…。“これ、どうしよう”と思っていた時に、宇部で会社を営んでいた叔父が経営などを教えてあげるからと声をかけてくれたんです。そんな次の人生を模索する中で、宇部というまちに出会いました。ただ、そんな感じで来ているので、最初は“この町で何をするんだろう”と、お先真っ暗な状態でした。いま、当時の自分に会えたら、ボッコボコにしてやりたいですね! 社会のことなんか、これっぽっちも考えてなかったですし。何がしたいのかも分からず、ただ生きていただけのようなものでしたから。

ある意味、宇部はいろんな誘惑も少ないまちでしたので、まずは借金返済のためだけに生きていましたね。長髪だったのですが頭も丸めて。わずかな生活費以外は返済にあて、5年かけて完済し28歳でリセットできました。2328まで、そういう生活をしていたので福岡の友達は楽しくしているんだろうなぁとは思っていたものの、当時はFacebookとかSNSがなかったので、みんなのリア充ぶりなど情報が入ってこなかったのは救いだったと思います(笑)

宇部の印象について聞かせてください

来たばかりの時は、そんな状態だったこともあり、何もないなぁという印象でした。十数年経った今は、自分が子育て世代にもなったというのもあり、海、山、川といった自然や広い公園があるなど、まず生活環境面での気づきがありますね。仕事の面では、会社間のつながりが横よりも縦の方が強い印象がありますが、個人的には横のつながりが強い方が新しい会社や独立などまちの活性力が高いと思っているので、起業後はまちに点在するプレイヤーとも出会う機会が増えました。飲食店グループ、工作機械を作っている会社、農業のベンチャー企業など、力を持っていたり、アイデアがあったりなど、いい会社がたくさんあります。ただ、「点」と「点」の状態のままなので、もっとその「点」を「線」(県内県外海外へ)にすることが今後の宇部や山口の課題と思っています。

17年ぶりの福岡について

福岡での案件拡充や自社運営のWebメディア『KARNEL』の立ち上げなどもあり、支社のある福岡へ今年の夏に生活の拠点を移したのですが、17年ぶりに戻ってきて、埋立地のアイランドシティや人口がとても増加していることに、驚きしました! 特に人口は、現在、福岡市が155万人くらいですから、以前に自分が住んでいた頃から比べると15万人くらい増えていまして、福岡市近郊の人口も増えているでしょうから、渋滞の具合や電車の乗車人数などからも実感できますよね。

ただ、僕が知らないだけかもしれませんが、思っていたよりも“コト”が起きていないなぁと感じました。もっとワールドワイドに“コト”が起きていてもいいんじゃないかなぁと。先日オープンしたThe Companyを運営する榎本さんや、福岡移住計画の須加さんみたいなキーマンがもっと沢山いるイメージがありました。1000人ぐらいとか(笑)。なので、まだまだできそうなことはあるのではと、チャンスも感じています。


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今後、福岡で取り組んでいきたいことはありますか

福岡でというよりも本社のある山口からの視点になるのですが、山口って空港や新幹線があって東へのアクセスが良く、東京や大阪へ向かいがちなんです。個人的には、もっとアジアに向かっていった方がいいなと思っていまして、僕たちのデザインやWeb、デジタルマーケティングでアジアへとつながっていきたいので、福岡は僕にとっての“エアポート”のような場所ですね。ここから飛んでいきたいので、今は空港作りをしているよう感じでしょうか。お世話になった宇部や出身地である福岡の筑豊も何らかの形で、一緒に飛び立てないかなと考えています。両方とも、元々は炭鉱のまちで地元に対する愛情が深いところなど、共通するところもありますし。

最後に本サイト『KARNEL』について。
立ち上げのきっかけからお願いします

ことしの4月に立ち上げようと思い立ったのですが、最初は福岡に戻ってきて知り合いもいなかったので、他業種や仕事をつなぐことができたらとBtoBでのマッチングサイトを作りたいなと思っていたんです。それを、外部役員に相談したところ、まずはBtoCなど、もっと個人に焦点をあててみてはと。自分がなぜ福岡に来たのかを聞かれ、これまでのことや宇部での話をすると、そういう九州・山口が出身で活躍している人を探してみるのは面白いんじゃないかと言われ、そこからスタートし、今のようなスタイルとなっていきました。

今後の展開などを教えてください

もっと、接点を増やしていきたいです。それは、インタビュー記事もそうなんですけど、違う形でも考えています。ただ、WebではSNS、現実にはシェアオフィスや、コワーキングスペースなど人がつながっていく既存のサービスあるので、『KARNEL』でやっていくことを考えると、九州・山口全域から自由に集まれる“場所”を提供していきたいですね。博多駅近くの住吉にスペースを設けたので月に一度、そこで何かがあっているという状態になればと。


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福岡市・住吉に新設したスペース


あらたまったトークセッションやセミナーといった感じにすると敷居が高いと感じる人もいるかもしれませんので、なるべく入りやすい感じにし、九州・山口からゲストを呼び、フリースピーチというか、その場でテーマを決めるようなスタイルでトークし、会場に来た人はもちろん、SNSなどでもライブ配信し、誰もが見たり聞いたりできるようにして、そこで接点を作ってもらい、今後のビジネスなんかに生かしてもらいたいです。“ゆるいルイーダの酒場”みたいな(笑)。“あそこに行ったら、はぐれメタルがいっぱいおったよ”といった感じで、自分に必要なキーマンを見つけてもらいたいと思っています。

そして、こういう活動にスポンサードしてくれる方が出てきて頂けると嬉しいです。自分の故郷や地元で頑張っている人達をサポートするような気持ちで “男気スポンサー”も募っています。もちろん、収支も公開し、予算に余剰が出た時は分配したり、そこから発生した新たな事業に投資したりすることなども考えているので。遊びのようなお金と思われるかもしれませんが、そこで生まれてくる価値があると思っていまして、賛同してくださる仲間が増えると心強いです。

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一年目となる『KARNEL』の運営を振り返ってみて

まず、インタビューに登場してくださった方、読者の方など、関わってくださった皆さんに感謝しています。自分自身、多くの人を知ることができ、ネットワークが広がるなど、投資もしてきましたが得るものも大きかったです。記事を読んでくださっている方には、『KARNEL』をきっかけに自分のルーツを考えてみる機会になるといいなぁと思っています。

経済も発達し、グローバル化がどんどん進んでいまして、自分たちの子ども世代は、今よりももっと海外へ出ていくようになると思うんです。そういう中で、僕たちが自分の故郷に対しての思いなどを振り返って、考えて、整理して、子どもたちには伝えていけたら思うんです。故郷を知ることは、人として大事なポイントじゃないかなと思っていまして、海外へ出て行ったとしても、自分の故郷、町、国には、こういう歴史や良いところ、スピリッツがあって、その中で生きてきた祖先がいて、そして自分はここに立って、世界と対峙している。

それが語れるのと語れないのでは大きな差があるんじゃないかと。そういった意味を含め、『KARNEL』はビジネス的な側面もありますが、自分のルーツへの感謝の場になれば嬉しいです。そして、記事に出てくださった方をはじめ、関わってくださった方がつながることによって何かが生まれていけば、九州や第二の故郷である山口に恩返しができるのではないと思っています。

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Photo_大林直行(101DESIGN)、Edit_Text_多田真文(REDACTION)

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