大西一史熊本市長 「人と人とが、つがなる。その尊さに改めて気付いた1年」

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大西一史熊本市長 「人と人とが、つがなる。その尊さに改めて気付いた1年」

2017.04.14

― 熊本地震から1年が経ちました。率直な今の心境をお聞かせください。

「1年は早かった、けれども1日1日はとても長かった」という心境です。復興に関わる多くの判断をスピーディーにやらなければいけなかったので、とても大変な1年でした。

大西一史熊本市長へインタビュー。言葉に込められた“強い気持ち”が響いて来て、胸が熱くなった

熊本市の復興状況はいかがですか?

道路などインフラの復旧は、ある程度の仮復旧を終え、これから本格復旧という段階です。また、熊本市中心街は賑わいを取り戻しつつあり、復興の感触はあります。しかし、今年3月31日時点で約1万世帯の方が仮設住宅に入居されていることを考えると、まだまだ道半ば。人々の生活の面では復旧していない部分も多く、復旧・復興状況に格差があると受け止めています。損壊した家屋の解体も、まだ半分ぐらいしか着手できていません。地震前の生活を取り戻すには、まだまだ時間を要します。

仮設、みなし仮設など、住まいを失った被災者の住居はこの1年で整備され、熊本地震に関する「り災証明書」の新規申請受付も3月末で基本的には終了しました。「復旧」から「復興」へとフェイズは移ったのでしょうか?

スピード感を大切にしているつもりです。「復興」はできるだけ早く進めないといけません。いろいろな施策を打つ時には「過去の災害よりもできるだけ早く実行する」ことをあらゆる面で心掛けています。というのも、復興というプラスの状況に持って行くためには、被災したマイナスの現状から、まずゼロまで戻すことが重要なのです。1年が経った今、「ここまで取り戻せた」という気持ちは確かにあります。
しかしながら、復興の状況が人によって違うという現状も認識しています。先日、熊本市南区の液状化した地域を視察してきましたが、震災直後と何も変わっていないように思いました。地域を離れた人がいたということで、状況はむしろ悪化していると言えます。「復興の光と影」といいますか、被災地の状況に差がついてきているので、その差をいかに埋めていくかを常に意識しています。

復興を実感していない被災者には、“置いてけぼり感”を感じているという人もいます。しかし、復興へと進む中で「自分だけ“つらい”とは言いにくい」という声も聞きます。

それはあると思います。そういう人たちの声を私たちは拾って行かなければいけない。それが行政の仕事ですから。同時に、行政が地域にもっと入り込み、震災の影の部分に光をあてていくことが、これからのフェイズの重要な動きになると思います。

―熊本城への支援状況はいかがですか?

1年が経った今も、全国から厚い応援をいただいていることに、本当に感謝の言葉しかありません。被災した熊本城を最初に見た時、私は愕然としました。と同時に、熊本城を元気にしていくことが、熊本が復興するうえで大きな意味を持つと感じました。
早い段階から、「熊本城を応援したい。寄付はどこに?」というありがたい声が熊本・全国から多く届きました。そこで、地震発生の一週間後に「熊本城災害復旧支援金」の口座を開設、たくさんの寄付金をいただきました。また、以前から行っていた熊本城復元のための「一口城主」制度をベースに、「復興城主」制度を昨年11月1日よりスタート。3月31日時点で申し込みは53,781件、883,926,810円の支援金をお寄せいただきました。制度を始めて半年も経たないうちに、これだけ寄付いただいたことは、大変ありがたく思います。熊本のシンボルである熊本城の復旧は、熊本の人々の復興に必ずつながると確信し、現在も再建に取り組んでいます。

復旧工事が進む熊本城。例年より遅い時期まで咲いていた桜が、熊本城にエールを送っているように思えた

― 大西市長は早い段階で、天守閣を3年、全体を20年で復旧させるという目標を発表されました。その理由は何ですか?

目標の明確化に、意識して取り組んでいます。「それまでにやるぞ!」という気持ちが大事。傷ついている時だからこそ目標が必要で、そこに向かって一歩ずつ進んで行こうという気運が生まれますから。
また、この目標年数は、熊本城の復旧に限ったものではありません。この時間軸の中で、人々の生活を同じように復旧させていくつもりです。熊本城の天守閣が復旧する際は、被災者の方々は仮設住宅から恒久的な住まいに移っている状況でなければいけません。生活と熊本城の両方がもとに戻って、はじめて皆さんは「日常が戻って来た」と実感するはず。熊本城復旧の目標は、多くの人にとって分かりやすい「熊本の復旧目標」でもあるのです。

応接室にあった、被災した熊本城の写真。大西市長は毎日、市役所から熊本城を眺めながら“気持ち”を送っているという

― 最後に、全国の方々へメッセージをお願いします。

熊本地震で被災したことで、たくさんの人の支えで自分たちが成り立っていることを改めて実感しました。私たちも国内で災害が起こる度に、いろいろな支援を行ってきました。今回、そういう気持ちを受ける立場になり、初めて支援の偉大さというか、支援していただける気持ちの強さというものを肌で感じ、涙が出るとともに、勇気づけられています。心より御礼申し上げます。
被災地には継続的な支援が必要です。しかし、それは必ずしも「物」や「お金」でないといけないわけではなく、「気持ちをいただく」ことが私たちの元気の源になります。「元気かな」「大丈夫かな」と気にかけていただくだけでも、熊本は元気になっていきます。そのうえで、余裕のある方は「ちょっと行ってみようか」「復興城主になって支援をしてみようか」など、具体的なアクションを起こしていただければ幸いです。
熊本城の再建も含め、熊本が震災前の姿に戻るためには、ずいぶん長い時間がかかります。その過程で、熊本にとって一番つらいのは、交流人口が減っていくことです。“交流”といっても、かしこまる必要はありません。「ちょっと熊本へ行ってみよう」という気軽な気持ちで十分です。たくさんの人の気持ちが“交”わり、熊本に、全国に“流”れて行く。それによって、被災地はさらに元気になっていきます。人と人とのつながりが、どれほど尊いことなのかを、今回の地震で改めて感じました。明るく元気に、これからも復興に向けて進んで行きます!

熊本城の敷地内に仮置きされた、倒壊した石垣。再び積み上げられるその日を待ち続けている

いまできること取材班
文章:高野正通
撮影:柳瀨武彦

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