福岡で目立つ官民連携プロジェクト、実行部隊に聞いた「世界都市福岡」戦略

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地方創生の流れの中で、着実に人口が増加し各地から注目を集めている福岡市。活性化の背景には、古くから民間と行政が連携してまちづくりが行われてきた歴史があります。そして現代では、都市の競争力を強化する専門組織も存在しています。その組織とは、平成23(2011)年に発足した「福岡地域戦略推進協議会」、通称FDC(Fukuoka Directive Council)。福岡市の国家戦略特区への指定をはじめ、産官学民の垣根を超えたさまざまな施策を展開しています。今回は、事務局長の石丸修平さんにインタビュー。FDCの取り組みと成果、今後の福岡都市圏について伺いました。

―近年の福岡の活性化を語る上で、FDCが重要な役割を果たしていると聞いています。まずはFDCがどんな組織なのかから、説明いただけますか。

石丸 はい。FDCは、福岡の新しい将来像を描き、地域の国際競争力を強化するために、地域の成長戦略の策定から推進まで一貫して行う、産学官民一体のシンク&ドゥタンクです……と言っても、なかなかわかりにくいですよね(笑)。立ち上げの経緯からお話すると、理解しやすいかもしれません。

―お願いします。

石丸 福岡は歴史的に、民間と行政が連動する、福岡らしいまちの動かし方がありました。そのひとつとして福岡市は、世界10都市で構成され、まちづくりの成功事例を学び合う「国際地域ベンチマーク協議会」(IRBC)に我が国で唯一加盟しています。年次総会が平成22(2010)年に福岡で開催されるにあたって、いわゆるMICE(国際会議や展示会など)として福岡の産官学が実行委員会を組成して受け入れました。そして、その委員会がきっかけとなり、「産学官民で福岡のまちづくりを進められる組織を作ろう」と、36の企業や団体で平成23(2011)年4月にスタートしたのがFDCです。ポイントは、福岡市だけではなく「福岡都市圏」という視座で、これまでできなかったことを広域連携かつ産学官民連携でやろうというところ。財政や人口減少などの課題があり、行政だけでは立ちゆかない部分や政策効果の最大化を目指して、みんなでカバーし合い、新たな価値を生み出し、福岡の競争力を高めようということです。IRBCの旗振り役であるシアトルにも同じような組織があり、そちらは行政権限を持つなど官の側面が強い組織ですが、福岡は民の側面が強いのが特徴です。

―民が牽引するのが福岡らしさなんですね。組織の目標は何でしょうか。

石丸 「2020年に国際競争力の強化により、東アジアのビジネスハブになる」という目標を掲げ、雇用を+6万人、GRP(域内総生産)+2.8兆円、人口+7万人というKPIを設定しています。現在、会員は企業をはじめ自治体、学校、経済団体など160を超えました。これまでの活動を通じて多くの種を蒔いてきたので、今年は「結実」の1年と位置づけ、目に見える成果を出していくつもりです。

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―これまでの活動について、具体的に教えてください。

石丸 観光・スマートシティ・食・人材・都市再生の5つの部会で取り組みを検討した上で、事業化を図り、実行してきました。例えば、観光部会から生まれた「Meeting Place Fukuoka」は、MICEの誘致体制を強化するために旅行会社やMICE施設、空港などが集まって平成26(2014)年に立ち上げた組織。それまで250件ほどだった福岡市のMICEは平成26年には336件に飛躍し、2年後には383件まで伸びています。世界水泳2021やラグビーW杯2019などの誘致にも成功し、福岡市はわが国のMICE誘致を牽引する存在として評価されています。

―FDCがきっかけを作っているんですね。

石丸 また都市再生部会では、福岡市が所有している市の中心部の水上公園を、民間の活力を導入して再整備することを提案しました。その後、民間事業者が公募され、平成28(2016)年7月に「SHIP’S GARDEN」をオープンして、付加価値を生み出しています。公園の中で、民間がハードを整備するだけでなく、魅力的なソフト事業を運営することで、コストを収益に変えるとともに、民間の知見を活かし新たな需要と人流を生み出すこの仕組みは、全国的にも画期的です。

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(ビジネスの中心・天神から、繁華街・中洲をつなぐ川上にある、レストラン施設SHIP’S GARDEN。オープン後は市民の憩いの場所としても利用されている)

―石丸さんが2代目の事務局長として特に注力してきたことは何ですか?

石丸 2つあります。ひとつは、域外の会員を増やすこと。地域でまちを作っていくことは大切ですが、地域にない新たな域外のリソースを入れて、福岡で事業や投資をしてもらうことで、福岡のポテンシャルは確実に高まります。もうひとつは、事業化の仕組みづくりです。先ほど説明した5部会中心の運営から、プロジェクト中心の運営に抜本的に見直しました。福岡市と連携して実施してきた「スタートアップ支援」や「福岡100」、「実証実験フルサポート事業」などはその例です。結果、事業化の速度が格段に上がり、いくつもの事業を生み出すことに成功しました。現時点でのプロジェクト数は、部会関係も含めて62に上ります。また、昨年秋には「FDC Launch Program」を創設し、FDCをイノベーションのプラットフォームとして、160の会員を起点とした事業開発や海外展開などを促していく体制が整いました。創設から4か月程度で、すでに億単位の投資を呼び込むことにも成功しています。

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(福岡市と共同で行う「実証実験フルサポート事業」のひとつとして、医療×エンターテインメントゲーム「うんコレ」の実証実験を実施。利用者が毎日の排便を報告することでゲームが有利に進み、自然に医療知識が身に付く)

―これまでの活動を通して見えてきた福岡の特徴や現状の課題は、どんなことだとお考えですか?

石丸 福岡は長らく支店経済のまちと言われてきました。現状は少しずつ変化してきていますが、まだ完全には脱却しきれていません。福岡の都市としての独自の成長を考えると、その点が課題です。意思決定を東京に委ねず、福岡で自らのことを考え決めて実行していけるような地域にしていかなければならない。東京を経由せずに、どんどん海外と交流することで福岡の認知度が高まり、名実ともに東アジアのビジネスハブになれる。数年後には、福岡が世界地図にのり、イノベーティブな都市として世界で認知されることを目指しています。

―福岡のまちや福岡都市圏にとって、今年はどんな年になるとお考えですか。

石丸 今年は、福岡が都市として確立するタイミングだと捉えています。高島宗一郎市長の強力なリーダーシップによって、この数年は、福岡の向こう100年を決めるような動きが次から次へと起こってきました。つい先日、MICEの最高峰にあたるG20首脳会議の誘致に名乗りを上げ、財務省・中央銀行総裁会議の誘致が決定しました。また、2024年までに、老朽化した民間ビルの建て替えを促す「天神ビッグバン」計画をはじめ、まちづくりを抜本的に変えようという動きが各地で進んでいます。福岡の地の利もあり、海外を含む都市間の交流も盛んになってきています。福岡の認知が一段上がり、都市としての存在感を確立する年になるのではないでしょうか。

―聞いているとワクワクしますね。いち市民や域外の人でも、福岡の動きやまちづくりに関わることはできますか?

石丸 ええ。スタートアップ支援施設 「Fukuoka Growth Next」のイベントにお越しいただいたり、1階の「スタートアップカフェ」にふらりと立ち寄ってもらったり。HPに施設やイベントなどの詳しい情報が載っていますので、ぜひチェックしてください。そしてもちろん、福岡都市圏に関わって何かをしたい人はぜひFDCまでご連絡を。福岡と関わることで何かのきっかけを生み出せるようなイノベーティブな都市を作るべく、邁進していきたいと思います。

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【プロフィール】
石丸修平(いしまる・しゅうへい)
昭和54(1979)年、飯塚市生まれ。経済産業省入省後、大臣官房政策評価広報課、中小企業庁長官官房参事官室等を経て、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)に転職。平成25(2013)年「福岡地域戦略推進協議会」(FDC)に参画し、平成27(2015)年4月より現職。九州大学学術研究・産学官連携本部客員准教授。アビスパ福岡アドバイザリーボード委員長、Future Center Alliance Japan(FCAJ)理事、九州大学地域政策デザイナー養成講座エグゼクティブディレクター、福岡県飯塚市行政アドバイザーなどを歴任。

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