海近の福岡だから、できたこと。釣りを軸にSNSからハンドソープまでを展開する「ウミーベ」、31歳CEOのブランド戦略

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月間200万PVの釣り情報サイト「ツリホウ(釣報)」や、釣果をシェアするSNS「ツリバカメラ」の企画と運営。さらに、女優の前田敦子さんも愛用しているという、魚の嫌な匂いを落とすハンドソープの製造と販売。カズワタベさん率いるウミーベ株式会社は、設立からわずか3年で、これらのサービスを次々と展開し、12名の社員を抱える福岡発のスタートアップとして確かな存在感を築いています。

カズワタベさんは、かつて東京・渋谷でスタートアップを興し、その後福岡へと転居した移住者。#FUKUOKAでは、過去にも(ウミーベ設立から4か月後)カズワタベさんをインタビューしています(過去記事はこちら http://hash.city.fukuoka.lg.jp/news/archives/26)。この時から、早3年。釣りで健康的に日焼けしたカズさんに、駆け抜けた3年間と、今後の展望について聞きました。

前回のインタビューから今までの3年間を振り返ってみて、どう感じていますか?

カズワタベ 大きな変化があった3年間でしたね。当時は、福岡・天神のマンションの一室で、ウミーベを一人で立ち上げたぐらいの時ですから。ツリバカメラはアイデアがあったくらいで、ツリホウ(釣報)はまだ考えてもいなかった頃です。

ツリホウ(釣報)は、オープンから一気に認知が広がり、ウミーベが注目を集めるきっかけになりました。

カズワタベ 思いついてから4日でオープンさせて、立ち上げから半年間で月間100万PVを達成しました。うまくいかなければ閉じればいい、くらいの軽い気持ちもあったんですが、反響を見るに、やっぱり情報のニーズはあったんだと思いましたね。

そのニーズについて、聞かせてください。「釣り」をサービスの柱に選んだ理由は何だったんでしょうか?

カズワタベ 僕は住環境の向上を求めて移住したので、福岡には縁もないし、Uターンでもないんです。だから、「わざわざ福岡にいる」ことが強みになるビジネスは何かを考えたんですよ。東京から引っ越す1年ぐらい前から、釣りにハマっていて、でも釣りというレジャーはデザインもITもまだ生かされてなくて、自分自身不便な思いをしてたんです。明日行く釣り場の情報を調べたって、2年前の個人ブログ記事が上がってきたりして、参考にならなかったんですよね。それで、この業界にはITベンチャーとして関わる余地があるし、僕と同じように困っている人が一定数いるはずだと思ったんです。福岡は街と海の距離も近いから、釣りが身近なレジャーだし、僕らも実際に釣りをしながら開発できますしね。

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ツリホウ(釣報)やツリバカメラのサービスはどのように思いついたんですか?

カズワタベ 釣りはWeb上に情報がないから初心者が入りにくい。だからまず情報を整理しよう。あとはコミュニティを整備して、釣りを始める人を増やし、続ける人を増やそう。それがツリホウ(釣法)とツリバカメラの基本アイデアです。釣りというレジャーが、もともとSNSと親和性が高いというのもあります。大物が釣れたら、シェアしたくなりますよね? 昔は魚拓で残していたわけだけど、今は写真を撮ってアップするだけなので、小物のアジだって釣れたらアップしたい。でもインスタグラムやフェイスブックは、タイムラインが釣り人ばかりじゃないから、投稿をためらうこともあって。釣りが好きな人たちが集って、一緒に楽しめるコミュニティを作りたいと思ったんです。

今年は「フィッシュソープ」も発売しましたね。ITベンチャーがハンドソープのようなプロダクトを作るのは、珍しい事例だと思います。

カズワタベ 会社のコーポレートビジョンが「釣りを、やさしく。」なので、それに沿う形の展開という意味では、僕らにとっては自然なことなんです。僕らはITベンチャーですけど、釣りというレジャー自体は、リアルな体験です。うちがいくらWeb上の情報を整理しても、届かない領域があって。その課題の一つが、魚の匂い。それをダイレクトに解決しようと思って、魚の匂いを落とせるハンドソープの開発に着手しました。手が臭いというのは、人に対して「やさしく」ないことですから。釣りをやっていない人の、やらない理由は、手が魚臭くなるからかもしれない。実際にそう声をあげてくれる人は少ないけど、声なき声を拾って、先に解決したいなと。そういう風に、釣りというレジャー自体の体験の改善や、質の向上をひたすらやってきています。その点ではハンドソープも自然に出てきたアイデアでしたね。

発売後の反響はどうでしたか?

カズワタベ 予想以上でした。化粧品などを製造するメーカーと開発段階から一緒に作ったので、商品自体に自信はありましたけど、メディア等でもたくさん紹介されて嬉しかったですね。取扱店舗は現在200店舗ぐらいですが、今後は釣具店だけでなく、生活雑貨店などにも広げていきたいと思ってます。事業上はこちらがメーカー側として、小売店と商品を通したリレーションができたのもよかったと思います。

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Webサービスにしろプロダクトにしろ、解決したい課題が明確で、一貫性があると感じます。

カズワタベ 魅力的に見える商品やブランドって、軸がブレずに一貫性がありますよね。高校生の頃に佐藤可士和さんはじめクリエイティブディレクターやアートディレクターと呼ばれる人たちがブレイクして、広告系のクリエイティブに興味を持ったところから、彼らが企業やプロダクトを魅力的に発信しているのをずっと見てきました。企業も一つのコンテンツですから、自分が会社を作る時もブランド感を大事にしたかったし、ウミーベという名前で海辺にオフィスを作ったこと自体も一つのブランディングです。

カズワタベさんの考えるブランディングとは、何ですか?

カズワタベ ブランディングとは、「人に、いいイメージで認知されて、定着している状態」だと思います。それを見た時に、ポジティブな感情とともに思い出すものであり、その状態を継続的に生み出す取り組みです。うちは、「きれいな海と一緒に記憶されているITベンチャー」であろうとしてます。海とITベンチャーって組み合わせは珍しいので、余計に覚えられやすいんです。

では現状の課題は何でしょうか?

カズワタベ 少しずつ認知が広がっているとはいえ、釣り業界のデファクトスタンダードといえる段階はまだまだ先です。ツリバカメラのユーザー数もまだ少ないですし、機能面でもユーザーのニーズを叶えきれてないと思ってます。単一の機能というより、「これがあればユーザーが熱狂的に使い続けられる」という強いアテンションは、まだ持てていないと感じてますね。

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ツリバカメラは今年の11月にメジャーアップデートをしていますが、それもユーザーのニーズに応えることが目的ですか?

カズワタベ そうですね。使いやすさや、コミュニティとしての機能強化は、特に重視しました。熱量のあるユーザーコミュニティを作り上げるのが、目標なんです。イラストの共有コミュニティ「pixiv」とか音楽系の「nana」といった、何かしらのジャンルで特化しているユーザーコミュニティって、面白いじゃないですか。そこから新しい釣り人が生まれたり、新しいスターが生まれたりして。自分が面白いと思ったものを世の中にプレゼンテーションして、それがポジティブに受け入れられたら、そんなに嬉しいことはないですよね。

その点を追求したいという思いの原点は、どこにあるんでしょうか?

カズワタベ 僕自身のインターネットの原体験が、コミュニケーションだったからでしょうね。もう17年も前ですけど、中学生だった頃、ゆずが好きで、ファンサイトに集ってたんですよ。まだSNSがなかったから、個人サイトが乱立していて、それぞれにコミュニティがあって。子供もおじさんもゆずのファンという共通項だけでそこに集まって、何時間もチャットしたり、カバー音源をアップしてみんなで聞いたり。僕は当時、山形県にいたから都会や他の地方都市の人と触れ合う機会もなかったんですけど、インターネットがそれを可能にして。その時のインパクトが今でも自分の中に残っているし、あのコミュニティ感を作り出したいとずっと思っていますね。

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今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

カズワタベ 「釣りを、やさしく。」を掲げるウミーベとして、やるべきことをやろうと思ってます。僕は「これ、いま儲かりそうだからやろう」みたいな発想は、得意じゃないんですよ。自分のモチベーションが続かないと、長続きさせられない。もともと音楽をやってた人間だし、たぶん死ぬまで、自分が本気で興味を持てるものしかやらないでしょうね。その中で、仕掛けを作って、何かを変えていくことをやり続けると思います。釣りというジャンルは、そんな中でも事業として成立しそうだと思えたジャンルなんですよ。そっちでちゃんと儲かったら、また別の、儲からなそうだけど面白いことを、始めるかもしれませんね。

【プロフィール】
カズワタベ(本名:渡部一紀(わたべ・かずき))さん
昭和61(1986)年4月生まれ。親の転勤で長野、新潟、栃木、山形、横浜、東京などを転々としながら育つ。音楽・音響デザインを専攻し、洗足学園音楽大学総合音楽科を平成20(2008)年に卒業。在学中から音楽活動を行い、平成21(2009)年にはアルバムをリリース。平成22(2010)年、Grow株式会社を設立し取締役CCOに就任。平成25(2013)年には独立し、フリーランスとしてウェブに関わる企画・ディレクション・コンサルティング業務を中心に活動。同年12月に福岡に移住。平成26(2014)年8月にウミーべ株式会社(umeebe Inc.)を設立し、代表取締役CEOに就任。

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